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ギュスの肢 : 新たなステージ [病気]

今日は朝から本降りの雨 [雨] 、そして、昨日今日とギュスのびっこが少し落ち着いていることから、今のうちにギュスの容態を整理して記事にしておきます。

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前回書いたように、GWの間に一気に悪化、というかびっこが酷くなり、4月30日のレントゲンでは、腫瘍がだいぶ大きくなって骨溶解も進み痛みが強まったのだろうということで、この日からトラマールを1日3回(1回125mgで8時間毎)服用することにして、断脚するなら決断を、という話になっていました。

で、オーパパとも色々相談し、いよいよ切るかという方向に傾いて、だったら3本足になる前に健常(一応まだ大丈夫?)な歩様を見て貰い、その上で歩行器を作ってもらおうと “ポチの車イス” という装具士さんを訪ねたのが5月2日でした。

ところが5月8日、4月30日には肢の痛みが酷くて保留していた肺のレントゲンを撮ったところ、これまでレントゲンでは確認できていなかった肺転移がバッチリ写ってしまいました。この時点では、左はきれいでしたが、右の上部が白っぽくなっていて、その中に、腫瘍らしき直径5cm程度と1cmくらいの2つの陰が確認できました。

4月末からの肢の状態の突然の悪化からしても、腫瘍の悪性度が上がったのか、活性度が高まったのか、何らかの変化は起きているだろうと覚悟していたため、ショックはそれほど大きくありませんでした。

これまで進行が遅くて、比較的安穏と過ごせていられたには違いないけれど、先の読めない宙ぶらりん感というか、ひょっとしたら自然退縮なんていうこともあるのでは、なんていう朧げな期待も気持ちのどこかにあって、それはそれで不安定な心境だったのが、「やっぱりガンなんだよねぇ~」と気持ちが定まったとでもいうのでしょうか、吹っ切れたように感じました。

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骨肉腫は原発自体は致命的ではないけれど、肺や腎臓などへの転移は進行したら命を奪うわけで、冷静に考えた場合、ここで原発を切除すると、一般的には1ヶ月くらいで肺転移が急激に進行、余命はもって2~3ヶ月ということになります。もちろん個体差があるわけで、ギュスの病状がどう展開するかは “神のみぞ知る” 領域なんですけどね。

一方、切らずに鎮痛剤だけの緩和ケアで最後まで頑張るとなると、これまでの状況からすれば、ひょっとするとまだ半年くらいはもつかもしれません。でもね、痛みの激しさは、現時点でも起立時は相当な様ですし、いずれ病的骨折が決定的になって(骨再生が骨吸収=破骨を補いきれなくなる)立てなくなっても、前足ですから、あれば身体を起こそうとするたびに加重するのは避けられない訳で、モルヒネパッチを使うにしても、想像を絶する痛みに耐えなきゃならないわけです。余命が長ければ、それだけ痛みと闘う時間も延びるという、本当に残酷な状況なわけです。

であれば、迷うことなんて無いはずです。今日明日に途絶するわけではないのですから、やっぱり痛みをとってやるのが最善の選択でしょう。

昨年12月の時点で、それは分かっていたのです。一度は手術の段取りもしたのですから(レントゲンで肺転移が確認できない段階で原発を切除して抗がん治療すれば、1年、ひょっとしたらそれ以上生きられるとも...)。しかし、幸いにもギュスの場合、進行がゆっくりだったこと、60キロ近い超大型犬で患肢が前肢ということで、獣医師たちも様子をみようといってくれたこと、などなど、ここまで切らずにこれました。

その間、肢を温存できる手術方法や放射線治療についても検討しました。

が、温肢手術は感染症+術後数ヶ月(2~3ヶ月という話も...)での再発リスクが高く、放射線療法は骨肉腫には根治術としての効果はほとんど見込めず、痛みの緩和ケアとして実施するのが一般的であり、やはり施術から半年~9ヶ月ほどで再発することが多いという話しを聞いて、選択肢からは除外する方向でした。

しかし、ここへ来て肺転移が明確になったことで、こう云ってはなんですが余命が少しは読めるようになったわけで、それだったら放射線による痛みの緩和(=温肢!)という選択もありでは?という話になり・・・

かかりつけの先生とも相談の結果、放射線治療を受けることにしました。

オードリーのGISTの件があって、ぶっちゃけ手術だったら(術後管理に不安がある!)麻布はないな~と思っていたのですが、放射線治療であれば入院しないし、症例は山ほどあるということで、ギュスも麻布でお世話になることにしました。

手術に比べたら懸念(?!)は少ないとはいえ、放射線治療も施術のたびに全身麻酔が必要になるので、最大4回の照射と聞いているため、原因不明ながら不整脈のあるギュスですから、無事治療を終えることができるのか心配といえば心配ですけど、効くケースだと、1回目の照射でけっこう痛みが軽減されるといわれているので、もうそこに賭けるしかないです。(もしも麻酔から覚めなくても、旅立ちが早まった=痛みから解放されたんだと受け止めることにします。^^;)

人間だったらストロンチウムの皮下注射による疼痛緩和も可能なんですけど、獣医療では承認されていないそうで、大掛かりになってリスクも高くなるけれど、ギュスの肺が頑張っていられる間だけでも、痛みが減って、4本足で歩けて、最期の時まで可能な限り自然に暮らしてくれることを願うだけです。

オーパパは、転移の進行が想定よりゆっくりで、結果肢の(病的)骨折という事態が起き、やっぱり切ることになったりして・・・なんて危惧してますけど、その時はその時??

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そんなわけで、放射線治療に向けて体調を整えられればと、かかりつけの先生にお願いして、十全大補湯という漢方薬を処方していただきました。

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マウスレベルでは抗がん効果も確認されてるとかいわれてますが、それはさておき、免疫にはかなり助けになる方剤でして、人医療では抗がん治療の補助剤として使われていますし、放射線治療の副作用軽減にも役立っているとか。くわえて、気血虚に対する処方なので、貧血改善や、血流改善による皮膚症状の緩和も期待できるはず?!

そして、断脚しないので使わないかも~となってしまったけど(四足歩行時には却って邪魔なんだけど、体重をかなり支えてくれるので、慣れれば立ち止まったときには休めるだろうし、そしたら少し長い距離歩けるかも...)、昨日、歩行器ができてきました!

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上の画像からさらに1工程改良をして(写真とってない~>_<)、めでたく納品となりました。

3回作業場に通って何度も試乗、ギュスのサイズと動きに合わせて作ってくれたので、サイズはピッタリ、動きも舗装面ならOKですが、上手く乗りこなすにはハンドラーと息を合わせる必要もあるし、練習しないと難しいでしょう。でも店主によると、ギュスは全然動じる様子がなくてバタバタしないから、乗りこなせるようになるんじゃないかな~って。(*^^)v

当初、後肢に問題のない(あるかもぉ~ってか?^^ゞ)ギュスなので、前だけでなんとかできないかと試行錯誤してくださったのですが、素材が軽い分、不安定になってしまって、結局従来どおりの4輪仕様になりました(通常、後肢の悪いケースでは後輪のみで、前肢も補助が必要な場合は前輪も付けて4輪になるそうです)。

でもね~ギュスサイズだと、あまりにも巨大になって、車に積むのが大変ということで、前後を分離できる仕様に改造して頂きました。

それでも、安定させるために車輪が外傾してるので車体幅が広く、デリカのドアを通すのもやっとでした。後から荷室に積めば楽なんだけど、荷室はギュススペースだからねぇ~もう少し考えないとね。気楽に携行できないと使用場所が限定されてしまいますから。

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昨日は、とりあえずオードリーのシートと助手席に収めて持ち帰りましたけど・・・

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帰宅後、アチコチ向けてドアをかわして下ろしたら、後輪側のポールが外れちゃった! たぶん前後を合体させるときにビスで固定すれば大丈夫だと思うけど、お店に確認しなくちゃ。^^;

車イス屋さんに行く途中に淵野辺公園があるので、このところ、ちょこちょこ立ち寄ってます。画像は昨日のじゃないけど、木陰が多いので、今のところ日中でも散歩できて、オーちゃんもご機嫌。

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ギュスは、GWからこっち家の庭しか歩いてないので、車の周辺ふらふらするだけでも気分転換できて、ご機嫌? 

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コメント(4) 
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コメント 4

前田朋

こんにちは。京都は夏のような陽射しの今日となりました。
ギュス、いい補助車が来たね。
うまく使って、お散歩が楽しく行ければ、もっと元気になれますね。

オーちゃんといっしょに、木陰の気持ちの良い場所を歩いて下さいね。

夏前に遊びに寄せてもらいたいです。
by 前田朋 (2016-05-17 18:59) 

ジャンニスキッキ

> 前田朋さん、
こっちは昨日は雨でしたが、今日は夏日。カラッとしてるからまだいいけど、梅雨が近付いてきてますね~ギュスのお肌がぁ~(>_<)

歩行器、車に積んで持ち運ぶのが厳しいみたいでガックリですが、このところ自宅周辺の公園に連れ出せていないので(途中で歩けなくなったらどうにもならないからね~^^;)、乗りこなせるように練習します。

お時間できたら寄ってください!

by ジャンニスキッキ (2016-05-18 13:38) 

あすぴー

ギュス君の脚の急激な悪化が心配です。覚悟はされていてもいざそうなると辛いですよね。痛みに耐えなければならないギュス君、お薬が効いていてくれますように。
車イスも大きくて大変なんですね。でもこれでお散歩が楽しめたらいいですね。
お大事にとしか言えませんが穏やかに過ごせますようお祈りしています。
by あすぴー (2016-05-19 07:19) 

ジャンニスキッキ

> あすぴーさん、
ご心配おかけしております。一昨日から昨日にかけて、またまた状態が悪化(びっこと腫れ)して、昨日はかかりつけに追加の鎮痛剤を貰いにいったりバタバタしていたのですが、何故か夕飯のあと、すっかり普通に歩くようになって、貰ってきた頓服の鎮痛剤は見送りました。今朝はまた少しびっこひいてますが、数日来の元気さで、一体どうなってるんだか?でも痛みが酷くなければ、まだまだ元気なので、少しでも痛みを軽減してやれる方法を探っています。

車イスは前後分割でなんとか車には積めるのですが、今度は合体させるのが一苦労。ストッパーのない車輪なので不安定なため、前後のパイプをきちんと平行に組むには二人がかりでないと上手くいかず、けっきょく一人で出歩くのは無理みたいです。まぁ、近所での散歩に使えればいいんですけどね。今日はパパがいるから二人で組み立ててみます。^^;

by ジャンニスキッキ (2016-05-21 09:27) 

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