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オードリーの貧血 : これでいいのか?いいのだ、たぶん。。 [病気]

本日のオーギュス地方、曇りの寒々しい一日という予報に反して、日中は青空が広がり、寒さも緩み、穏やかな陽射しの下でゆっくりお散歩を楽しめました。得した気分だ~♪

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さてと、先週の火曜はオードリーの大学病院受診日でした。記録として残すと宣言したからには、毎回記事をアップせねば、と思いつつ、今回は少々気持ちが揺らいでしまい、なかなか書く気になれなかったオーママです。

検査、数値としては緩やかに続落という結果で、ある意味、想定内、というか想定より緩やかな下降スピードで、凹むような内容ではなかったのですが・・・

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毎度注目している赤血球関連の数値。

赤血球数:501万個→468万個、とうとう500万個を下回ってしまいました。
PCV:35.2%→32.5%、30%を維持していました。やれやれ。
ヘモグロビン:12%→11.1%、前回ギリギリ標準値に踏みとどまっていたのですが・・・
T-Bil:0.04→0.1、久々に小数点一桁まで上がってしまいました。

そして、一番気になる網状赤血球数はというと、0.38%→0.28%。12月半ばからずっと0.3%台後半をキープしていたのですが、再び低下する兆しが・・・

この日は、いつもどおりに研修医の予備問診と採血が終わり、主治医の先生との面談を待っていたら、研修医の方がやってきて、「先生が触診してオードリーの様子を診たいそうなので、ちょっとお借りします~」って連れて行きました。

でも15分くらいで戻ってきて、「ご飯あげて構いませんよ~」ということだったので、いったん車に戻って、検査絶食でお預けだった“朝ご飯”を食べさせ、また待合室に戻りました。

天気が悪くてキャンセルが多かったのかな~と思うくらい患者が少なくて、3時半くらいになると、オードリー&ママいれて2組しか残っていなかったのですが、なかなか呼ばれません。

もう一組の方も4時には帰って行き、とうとうウチだけになり、更にしばらく待って、やっと先生が診察室から顔を出しました。なにやら、鉄の検査をしていて、手間取ったとか。

鉄?何で今さら??

鉄検査(血漿鉄Feと不飽和鉄結合能UIBC)、9月の時点で、病気を確定するためにやったよな~でもってFeが338.6で、UIBCは0.0だったはず。

これって、貧血のタイプを見極めるために行う検査で、鉄欠乏による貧血、慢性疾患などからくる貧血、溶血性の貧血のうち、再生性か非再生性か、などを判別できるようです。

細かいことは省略しますが、Fe(鉄)の値は高いのにUIBCが低い(オードリーのケース!)というのは、非再生性の貧血であることを意味します。

今回の検査値は、Feが271.0、UIBCは27.4というもので、「9月と比べてどうなのよ?」みたいな数値でした。先生としても、数値自体には特に見るべき変化はなかったようで、これといった言及はありませんでした。

ま、非再生性だということを再確認した?

でもって、いつもは結構はっきりモノを言う先生、この時はなんだか歯切れが悪く、白紙のレポート用紙を取り出して、無言でなにやら書き始めました。

今までの経験から、何か決断を迫られるような場面なんだと分かりました。

で、レポート用紙の文字を追いながら、先生が口を開くのを待っていると、ポツポツと話し始めました。

要は、今のままでは先細りは目に見えているので、先生としては、免疫抑制を更に強める方向で、薬の追加、もしくは変更をしたいということでした。

この方針は、数値が再び落ち始めた年初から話題に上っていたことなので、これまた予想どおりの展開だった訳ですが、ここでオーママ、ちょっと異論を唱えてみました。

去年11月に、ガンマグロブリン療法に踏み切る前に提案されていた、治験(免疫抑制は強くないものの造血に関わる機能を調整するかもしれないという推測のもと、ある薬を経口投与する)を受けてみたいというのが、オーパパ&オーママの希望だと申し入れました。

実は、レポート用紙に記された5つの治療方針の4番目に、この治験(獣医療の場合は正式な治験という制度はないみたなので、獣医師の責任において実施?)に使う薬の名前もありました。

でも先生は、ガンマグロブリン療法の予想以上の効果に、当初考えていたこの薬の使用より、免疫抑制を強化した方が効果が出ると考えています。ですので、この1ヶ月、毎回“治験”を打診しては却下されていました。

また、前回、オーママ、レフルノミドというリューマチなどで使われる(ある種の免疫抑制剤!)薬が免疫介在性の溶血性貧血で効果をあげている症例を見聞きしていたので、それも聞いてみたのですが、そのときは、「オードリーの場合、検討すべき選択肢の一つではあるけれど、リスクが高いので今は使いたくない」と却下されていましたのに、この薬も、3番目の選択肢として入っていました。

後の3つはというと・・・

1番目が、減薬を続けてきたステロイド(=プレドニゾロン、現在は維持量)を増やす(低リスクながら効果はあまり期待できない)。

2番目は、現在一番頼みにしている免疫抑制剤セルセプトを倍量(500mg)まで増やす(そこそこ使用例があり、リスク対効果が程々であることが検証されている)。

そして、5番目はプログラフ(シクロスポリンと同系列?)という薬を使ってみる(使用例がほとんど無い=リスク対効果が計れない!)。

でもって、先生が推奨したのは2番のセルセプト増量でした。

「医者としては、効果が程々でもリスクの低いものから試していくというのが定石ですからねぇ~」と、やっぱり治験には乗り気ではない様子でした。

が、ママ、「このところの貧血の進み方からすると、まだ1ヵ月半くらいは余裕があると思われるので、オードリーの身体がギリギリになってから一か八かの治験に踏み切るよりは、ここで一度違うアプローチをしてみたい」とプッシュしたのでした。

そしたらなんと、これまでは、ニコニコ物静かながら、一度も自身の方針を曲げたことの無かった先生が、「だったらそうしましょう。今日から薬を出すことはできますから。リスクは低いと考えられますが、初めての薬ですから、何か変化があったらすぐに連絡してください」と仰って、あっさり“治験”のスタートとなりました。

厳重な管理の元で使用すれば深刻な副作用はほとんどないはずですが(5つの選択肢の中で、一番身体の負担が少ないはず...)、効果については全くの未知数ですので、この選択肢が吉と出るか、はたまた・・・正直、とても不安な気持ちで家路に就きました。

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また、この日は、こんなやりとりもありました。

オーママ:
「たしかに、免疫グロブリン療法はとても効果がありました。先日の抗赤血球と抗血小板の抗体&補体測定結果も、9月と比べてIgGは極めて良好にコントロールできていると感じました。しかし、それでも赤血球数が減り続けていますよね?ガンマグロブリン療法直後、網状赤血球が一時的に17万個にまで急増したことを考え合わせると、(先生が)仰るとおり、赤芽球は造られているのに成熟できず、赤血球前駆細胞の段階で溶血が起きているのだとは思いますが、赤芽球癆など、赤血球系統の産生の根本がダメということないでしょうかねぇ。。」

先生:
「う~ん、オードリーの場合、骨髄が弱ってきているかも・・・骨髄異形成症候群とか他の病気ということもあるかもしれません。9月の穿刺検査では出なかったけれど、現状を確認するには、再度骨髄穿刺検査を行うのが確実なんですが、大変ですよね?」

<1月24日の抗体及び補体測定結果>
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主治医の先生、犬の骨髄線維症というのは、多くの場合、続発性(他に病気があって=オードリーの場合は免疫介在性溶血性貧血、それが原因で2次的に発生したケース)だという前提で治療を進めてきているのですが、ここへ来て、オードリーはもしかすると違うタイプ(骨髄自体に問題があるとか...)かもしれないと考え始めたようです。

骨髄穿刺検査は全身麻酔で行う検査です。

9月に検査を実施したときに比べたら、現在オードリーの調子ははるかに良いのですが、では、ここで検査に踏み切って、結果、骨髄異形成症候群でした、とか、再生不良性貧血でした、とか、なんらかの腫瘍(骨髄腫?)です、とか、そんなことが分かったとして、この期に及んでどうしろというのでしょう?

そりゃ~抗がん剤使うとか、多少薬のチョイスが変わるのかもしれませんが、どの病気だったとしても、ぶっちゃけ、治すというよりは、生きる時間を少し延ばすための治療がある、というだけのことです。

即答を求められた訳ではないので返事は保留しましたが、検査を受けることはないと思います。(この週末に帰宅したオーパパとも話し合いました!)

だって、思い切りの悪いオーママは、検査して何か新しいことが分かったら、未練タラタラ、オードリーがもっと苦しむことになるかもしれないような治療だとしても、もし提案されたら気持ちが傾くかもしれませんから。

でもね、オードリーは、今現在“普通”に暮らせています。

今日だって、グランド往復+自主トレで2時間も楽しんできました!

一時はステロイドと抗生物質でボロボロだった体調も、赤血球が標準に戻った時点で一気に挽回。今は、お腹の具合と相談しながら、オヤツも、パパママの食事のおこぼれも、そして、ミキサーでガーしてるものの、大好物のイチゴだって食べられます。

確かに、以前だったら、週に1~2回はアジやオビの練習に行き、ランでお友だちと走り回り、時々山登りにも行き、この季節だったらスノー・ハイクも楽しんでいました。それと比べたら、QOLは落ちているのかもしれませんけど、オードリー、毎日ご機嫌で過ごしています。

それでいいじゃないですか。

再度検査して、より適切な治療に転換できたとしても、まだ普通に暮らせている“今”と引き換えにオードリーの笑顔が消えてしまう事だってあるかもしれません。(ないかもしれません...)

そう、去年の11月に、免疫グロブリン療法がこんなに効くとは思っていなかったとき、かかりつけの先生や訓練の先生とい~っぱい話して、ちゃんと納得したことなんです。

それが、免疫グロブリンの効果で、思いがけず、すっかり蘇ったオードリーをみていたら、心のどこかで「もっと治療を頑張れば、もしかしたら・・・」なんていう気持ちが頭をもたげることもあります。

それで、大学病院の先生の、「せっかくここまで来たんだから、無理は禁物ですよ!無茶させて体調崩したら元も子もありませんからねっ!!」という言葉に、オードリーの行動をついつい抑えがちになって、後から、「う~ん、ブレーキかけるんじゃなかった」と後悔してみたり・・・

オードリーがオードリーらしく暮らすことと、オードリーの喜びや楽しみが少々減ったとしても、(ママの気持ちを満たすために??)一日でも長く生きてもらうことのどっちを取るか、ずっとずっと揺らぎ続けてここまで来ました。

オードリーが病気と分かるまでは、“生きていてくれさえすれば”というのはママの信条ではないと考えていたのに(今でも、理性ではそう思っているし、ママ自身については断じて違うと考えているのです...)、いざ、思ってもいなかったところで幕が引かれるかもしれないとなったら、信念が揺らいでしまったわけです。

もちろん諦めてなんかいないし、“治験”も始めたのだから、まだまだ希望をもって毎日を過ごしていきますよ。でもね、少なくとも、オードリーの笑顔が見れなくなるような“治療”は要らない! 改めて、ここでキッパリ宣言しておきますね。でないと、「一日でも長く一緒に居られるなら・・・」なんて気の迷いが起こらないとも限らないので。

といいつつ、また9月のような、辛そうな呼吸に苦しむオードリーを目の前にしたら、オーママ、きっと最後の悪あがきをすることでしょう。でも、それは延命ではなくて、少しでも安らかに過ごして欲しいと願う気持ちですから。

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常日頃、感情移入した記事は書くまいと思っているのに、今日は気持ちに流されてしまいました。(まいったなぁ~^^;)

別の記事で使うつもりだったんだけど、ここはオードリーさんに〆めて頂きましょう。!(^^)!

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