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オードリーの貧血 : 起死回生なるか? [病気]

今日は18日ぶりの大学病院でした。

先週の金曜、久しぶりにラウルス&ママさんとお散歩したとき、「オーちゃんとっても元気そう。ひょっとして寛解するんじゃない?」なんてビックリされたのですが、オーママから見ても、このところのオードリーは、もしかして治るんじゃないかな・・・なんて期待させる好調ぶりでした。

うまく説明できないのですが、“普通”なんです。病気になる前みたいな普通さ?

貧血状態に慣れてしまったオードリーは、赤血球数やヘモグロビン値が健康体の半分以下という状態でも、食欲旺盛、けっこうな散歩もするし、見た目、“普通”もしくは「どこが悪いの?」くらい元気そうにしていますが、四六時中生活を共にする飼い主からすると、やはり病気の前とでは随分違っています。

一番違うのは、四肢の末端に力が入っていないというのかな~なんか足取りがフワフワした感じ?

発症前のオードリーは、親バカ目線を差し引いても、立ち姿がシュッとしていてとても格好良かったのです。頭の天辺から爪先まで、程よい張りというか、緊張感があって、常にしっかと地に足をつけ、歩く時は力強く地面を蹴っていました。

それが病気になってからは、なんか危なっかしくて、末端まで神経が行き届いているのかしら?というフワフワした足取りでした。

それが、10日ほど前からだいぶしっかりして、階段でさえも危なげなく上り下りしています。

体重も22キロ前後をキープしていて、身体に張りがあります。

でも、前回受診した10月12日以降も20日までは、それまでよりゆっくりにしろ、じわじわとPCVが落ちているんだろうな~という感じだったのですが、20日を境に、ひょっとして溶血が止まったのでは?もしや僅かながらも増えてるんじゃない?みたいな。

23日(天気大荒れ!)は突然真っ白くなって焦りましたが、翌日から血色が戻り、一昨日(雨!)の夜から昨日の朝にかけてもちょっと不調で、昨日の朝は褐色尿が出て、歯茎も真っ白でしたが、夕方には復活。

う~ん、PCV、前回並みの日平均0.21%減なら17%台ですが、ママの見立てだと18%切ってることは無いのでは、という状態で本日の受診となりました。

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11時予約でしたが、出かける前の散歩が少々長引き5分遅刻。^^; かなり混んでいましたが、わりとすぐに予備問診に呼ばれました。

上で書いたようなことを話したところ、褐色尿の件が気になりますね~ということで、いつものCBCと血液生検に加えて尿検査と腎臓・膀胱のエコー検査をしておきましょうと言われ、オードリーを渡して退室。

しばらくすると研修医がやってきて、「採血終わって腎臓関係の検査をしようと思うのですが、なんだかやたらテンション高くて・・・(^_^;」と仰います。

暴れてる模様です。「では、血液検査のクレアチニンと尿素窒素の値をみてからでもいいのでは?」と返すと、「そうですね~そうしましょうか~(^^♪」と検査エリアに取って返し、間もなくオードリーに引きずられて戻ってきました。

いつもならここから最低1時間はかかるのですが、20分くらいで主治医の先生が顔を出し、待合室の椅子に腰掛けているママに向かって、「CBCだけ結果出ました。PCV18.5%で、日平均にすると-0.13%、だいぶ溶血スピードが落ちています!それと網赤が5万6千超えてます!!」と知らせてくれました。

診察室に呼ばずに話してたので妙だな~と思っていたら、「今日、僕、今から出張しなければならなくなってしまって・・・その前に他の検査結果が上がってくるかどうか・・・済みませんが間に合わなかったらお話は次回に」と付け加えたので、「う~ん薬のことで相談したかったんだけど・・・」とママ。

「結果、間に合うといいのですが・・・とりあえずもう少々お待ち下さい」と言い残して引っ込んでいきました。

話が出来ないんじゃ何しに来たんだか・・・検査値だけ聞いてもねぇ・・・なんて思いながら、隣に座った話好きのオバチャンとお喋りしながら30分くらい待っていたら、また先生が顔を出して、今度は診察室に呼ばれました。

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「えっとCBCは先ほどお話したとおりです。BUNとクレアチニンの値も正常範囲内ですので問題ないとは思いますが、今回またプログラフを増やす方向で考えていますので、感染症(膀胱炎を疑っていた?)の懸念もあるし、やはり腎臓と膀胱のエコーと尿検査を受けてください」ということで、オードリーは検査エリアへ。

「溶血のスピードがだいぶ緩んだこともですが、網赤が上がってきてるんですよね。治療を初めて以来、5万を超えたのはガンマガード投与したときを除いて、これまで一度もありませんでしたよね?う~ん今度は行けるかもしれません。肝酵素の方もまったく問題ないし!」と、先生、かなり喜んでいる様子でした。

そこで、ママ:
「ではプログラフ、12時間おき(0.2mgを1日2回)くらいに増やせばいいのでしょうかね?それと、“(箱買いしていた)治験薬”は一昨日で全部飲みきったのですが、そちらはどうなりますか?」

先生:
「プログラフは当面1日2回=0.4mg/日に増量でいいでしょう。で、“治験薬”の方ですが、一度切ってみましょうか?」

ママ:
「切って大丈夫でしょうかね?せっかく網赤が上がってきているのに、切ったらまた落ちちゃわないか不安なんですけど」

先生:
「う~ん難しいところだね。次回までの間隔をあまりあけないで、いったん休薬してみましょう。上手くいくといいですね~!」

ということで、プログラフは増量、“治験薬”は休止、次回は10日後ということになりました。

待合室で待っていると、またまた研修医をぶっちぎってオードリーが検査から戻ってきました。

「腎臓・膀胱・胆嚢・肝臓を見ましたけど、特に問題はありません。腎臓の石灰化が起きているものの、これは年相応というレベルです。また、ステロイドの長期服用をしているため、胆嚢内の着泥や、肝臓の若干の浮腫はありますが、今のところ深刻な問題を起こす恐れはありません。尿検査の結果は少し時間がかかりそうなので、先生が出張から戻ったら電話でご報告致しますので宜しくお願いします」という説明を受けました。

その尿検査の結果について、5時過ぎに先生から連絡があり、若干蛋白が出ているものの、プログラフの増量にあたっての不安材料となるようなものは見当たらないとのことで、予定どおり明日から0.4mg/日に増やすことになりました。

      ******

電話での先生、(プログラフを)増やすといっても4月に副作用が出たときは1mg/日だったので、まだその時の40%だし、今回は肝臓のコンディションが至って良好なので、もう少し免疫抑制をかける方向でやっていきましょうと仰いました。

そう、先生は、最初の段階から、オードリーのケースは造血自体は行っている(=再生不良性や赤芽球癆ではない!)ものの、芽球から幼弱赤血球に成熟する段階のどこかで溶血が起きていて、末梢血で網状赤血球の数が少ないという所見でした。

骨髄に造血像が無いのは、造るそばから溶血が起きるので、壊れた赤血球(の前駆体)の残骸(=肥満細胞)で骨髄が満たされ(→線維化=骨髄線維症)、造血機能が低下しているためという説明だったと記憶しています。

なので、人間でいう原発性の骨髄線維症(骨髄の腫瘍に分類される)とは経過が異なり、先ずは溶血を止めることが必要だということで、溶血を引き起こす抗体の活動と産生を抑えるために数々の免疫抑制剤を投入してきた訳ですが、オードリーは悉くに反応せず、プログラフという、極めて使用例の少ない(=リスクに関して未知数)免疫抑制剤でやっと反応したわけです。

しかし、数少ない症例から割り出した“規定投与量”で溶血を抑えたものの、肝臓に急激な副作用が現れて中止、再投入は考えられないといっていたのを、無理して頼み込み、低用量から再挑戦し、副作用が現れる前に、溶血のスピードが緩み始め、結果、造られた芽球が成熟して末梢血に流れ始めたところと思われます。

今日現在、網状赤血球数が5万6千個を超えています。

6万個造れたら、オードリーは生き延びられます!

もしこのまま副作用が出ないで溶血が止まる量まで薬を増やせれば、次回は6万個に届くかもしれません。ただ、薬の相互作用というのはとても予測が難しく、ベースのプレドニゾロン(ステロイド)、免疫調整作用があるという“治験薬”、そしてプログラフの三種類が絶妙なバランスで配合されたときに初めて上手く作用するのかもしれません。

さらに、オードリーという生体との相性もあります。

今回、プログラフを増やして“治験薬”を切ったことが(ステロイドは同量で続行)どう出るか、またまたすごぉ~~~く不安な10日間になると思いますが、この1年、日々一喜一憂、守りに守ってここまで来たのです。

なんとしても生きてもらいます。オードリーの生きる力を信じて寄り添います。

そうはいっても、PCV18.5%、下げ止まっているならいいけれど、まだユルユル落ちているとしたら、遠からず輸血です。

う~ん、微妙。

でも考えてどうなるもんじゃないし、今週は3日の本部展に向けてギュスとの最終調整に集中しよっと!

<先週の薬師池散歩 with ラウルス>
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<もう1枚!>
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(ラウルスママさん、写真ありがとうございました。またお散歩、ヨロシク~(^^♪)

 


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