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オードリーの貧血 : 発症から1年 [病気]

先週木曜から東京に戻っています。金曜がオードリーの受診日だったこと、今週はオーママの通院があること、そして“オーギュス号”の車検も、というわけで、たぶん今週いっぱいは東京です。

いやぁ~暑いです!![晴れ][ちっ(怒った顔)][あせあせ(飛び散る汗)]

ちょこちょこ日帰りで来ていたから覚悟はしてましたが、冷房の利いた車と病院で過ごすのとは訳が違いますね。山との温度差10度くらいあります。ギュスならずとも、引きこもりたい気分です。

そして、昨日今日は天気が不安定で雨模様[雨][雷]、陽射しが少ない分気温は低いのですが、湿度が高くて、降るとけっこうザーっと降るため窓も思いっきり開けられず、結局エアコン浸けの毎日でして、ママ、少々体調不良です。

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そして、そして、昨日から9月がスタート!

かかりつけの動物病院でオードリーの貧血が発覚、おそらく免疫介在性の溶血性貧血、しかも再生が上手くいっていないようだと告げられたのが、去年の9月4日でした。

1週間後には免疫介在性の溶血性貧血と診断が下り、麻布大学病院を受診することになったのでした。

未だに1年後生存率が50%とも言われる(非再生性の)免疫介在性溶血性貧血ということだけでもショックだったのに、大学病院での骨髄検査でほとんど造血像が見られない状態(=ドライタップ)で、病理検査の結果、続発性の骨髄線維症も併発していると確定診断が下ったのが9月の下旬。

骨髄線維症については、半年から1年頑張れればなんとか・・・みたいな説明をされ、溶血性貧血も今では10年前と比べたら随分色んな薬が使われているから頑張って治療しましょう!というお話で、ママも「頑張りますっ!!!」と答えたものの、心のどこかでは「3ヶ月もつかどうか・・・年が越せるだろうか・・・」みたいな気持ちもありました。

なにせ病気の犬なんて間近で見たことがなかったので、毎日毎日苦しそうにパンティングを続けるオードリーを目の前にして、何度、「もうダメなんじゃないの?」と思ったことでしょう。

本格的に治療が始まると、今度はほとんどの薬に反応せず、一方で副作用だけが現れてきて、もう使える薬も出尽くし、後は輸血に頼りながらオードリーの生命力に期待するしかないという状況が続きましたが・・・

なんと、予想に反して(?!)、オードリー、“発病1周年”を迎えてしまいました。\(◎_◎)/!

病気が発覚した当初は、それまでのスーパーアクティヴ犬から座敷犬へと生活が一変したことで、「オードリーらしい暮らしができなくなっても生きてさえいれば幸せなのか?」って散々悩んだものの(今でも人間的視点で考えたら、オードリーにとって“座敷犬生活”はどうなの?みたいな思いはあるけど...)、犬は、人間みたいに、昨日までできたことが出来なくなって悲しいとか、このまま治療が上手く行かなかったらどうなるんだろうなんて考えないし、少々自信は無くしても、その時々の日常を受け入れて、楽しく暮らしていけると知ったから、それだったら、オードリーがニコニコ過ごしていられる限りは付き合って行こうと意を新たにする昨今です。

しかし、治療費のことを考えると、頭が痛いというのも現実です。

今まで書こう書こうと思いつつ、なんとな~く書きそびれていたので、1年という節目でもあるし、サラッと記録しておきますね。(このところ“溶血性貧血”や“輸血”、“ガンマグロブリン療法”というキーワードで検索してくる方が増えているのですが、“費用”というキーワードも多いので...)

まず、すご~く大雑把にいってしまうと、かかりつけでの初期の検査&処置も含めて、1年間の治療費総額は約200万円といったところです。

大学病院では、薬代が一番かかってます。投薬内容によって変動があるものの、1ヶ月あたり10万前後でしょうか(研究費扱いで無償で提供されているものもあります!)。

輸血が1回あたり諸検査含めて5万弱、ガンマグロブリン静注は1泊入院費用と血栓予防処置などを含めて1回10万弱、この他に、受診のたびに再診料・調剤料・血液検査で1万ちょっと、そして、特殊検査やら、全身麻酔の必要な検査&処置の麻酔費用などです。

処置や検査は体重には関係ないようですが、薬(含む、ガンマグロブリン)と麻酔は体重に依存します。20キロ内外での費用です。

病気が発覚する直前、「そろそろオードリーも保険に加入しようか~」なんて言っていた矢先の発病でしたので、全額自己負担です。ま、保険に入っていたとしても、1日当たりのカバー総額は2万円×保険負担率(ギュスターヴの場合だと90%!)ですから、薬を4~5日分ずつに分けてもらうとか、検査も二日に分けてしてもらうなどの配慮をしてもらわないと(かかりつけは相談にのってくれますが、大学病院はどうなんでしょう?)追いつきませんね。それに、“輸血処置”というような分割できない項目はどうしようもありません。

というわけで、月々にすると15万円以上の病院代がかかっています。

腫瘍の抗がん剤治療や放射線治療も大変だと思いますけど、難治性で長期化する疾病の場合は、治療を継続するのが本当に大変です。

特に大型・超大型犬の場合、半端ではない医療費がず~っとかかるわけでして・・・

去年の11月頃、海外の文献を調べていて、オードリーより遥かに治療成績の良い症例でも半年くらいで“安楽死”というケースが多いのを不思議に思って主治医にたずねてみたら、欧米では金銭的な理由で(必ずしも払えないということではなくて、犬にどこまで費やすかという線引き?)治療を諦めるのは珍しいことではないし、オードリーのような状況で治療を続行する飼い主はまず居ないでしょう、みたいな返事が返ってきました。

たしかに、人間でも経済的な理由から最善の治療を受け続けることが困難なケースが少なくないわけで、最近もテレビで社会問題としてクローズアップされている番組を見ましたし、“犬ごときに”という考え方もあることでしょう。でも、動物も家族なんだから、できる限りのことはしたい、というのが“日本の実情”ではないでしょうか?

それにしても、治療費だけではありません。通院の交通費、日常の雑貨や食餌も、健康なときとは違ってきます。お金をかけずに手間をかける努力をするにしろ、長期戦になると、それはそれは大変です。オードリーサイズでこれですから、ギュスサイズだったらどうなるんでしょう?(思考停止!)

ここまで書いてきて、「費用が治療継続か否かの基準になるのは致し方ないことですよ」と仰った訓練士さんの言葉を思い出しました。オードリーが生き長らえてくれるのはもちろん嬉しいことです。でも、最後の最後まで“治療”という形で支え続けられるのかどうかは分かりません。我が家が“経済破綻”する前に、なんとか復活してくれますように。

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さて、1周年ということで前置きが長~くなってしまいましたが、8月31日の通院日誌です。

前回8月24日の受診後のオードリーはといいますと・・・

可もなく不可もない状態というか、散歩や食事はそれなりですが、動きがだいぶ少なくなって、28日から29日にかけての夜中は久々のパンティングが続き、起きたら粘膜やらお腹やら真っ白け。下痢Pにもなって、「う~ん、プログラフの影響が出てきてるのかな?」と心配になったものの、夕方くらいから少し元気復活。30~31日はなにやら血色もほんのりピンク色が戻ってきていい感じ?

ママの感触では、PCVは日平均0.3%の緩やかな低下という感じでした。

なので、できれば受診を1週間遅らせて体力温存したいかも~みたいな気持ちもあったのですが、水曜に先生から電話があって、24日に検査した項目(後述)の結果説明をされ、その件もあるし、輸血になると思うから予定どおり受診するようにと言われました。

輸血ねぇ・・・でも見た目“日平均0.3%(=1週間で2.1%の低下)”だから17%台をキープしていると思うし、そしたら是が非でも1週間延ばしてもらおうと心に決めて受診したのです。

で、いつものように問診、採血、結果待ち。

11時半くらいに結果が出て呼ばれました。

「PCV下がってますね~17.6%なので輸血しましょう」と先生。

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でも、オーママ、上記のとおり決心(笑)していたので、予想通りの数値だったこともあって、供血犬が2巡目に入る輸血をなんとか先送りしようと、一生懸命プッシュしました。

ママ:「昨日今日となんだか調子が上がってきているんですよ!血色も僅かながら戻ってきているし・・・」

先生:「う~ん、プログラフ再開して1週間だし、もしかすると効き始めてるということもあるなぁ~」

ママ:「肝機能の方はどうなってますか?」

先生:「それが思った以上に好転してるんですよ!」

ママ:「プログラフ増やせそうですか?」

先生:「そうだね、増やしてみようか。それで1週間様子みてみるというのも手だね。今日は山には戻らないのですね?だったら急変してもすぐ来れるし、いいでしょう。輸血は保留にしましょう!」 

更に続けて、先生:「それから電話でお知らせした先日の細胞診の結果についてですが、病理の先生が海外出張中で病理所見が書類にまとまってないんですけど、髄外造血だということは間違いありません。極めて異例のケースなんですよね~」

ママ:「私が読んだ文献では、人間の場合ですが、髄外造血のうち0.4%が皮膚で起きてるという報告もありましたけど・・・」

先生:「その数字はどうかなぁ~滅多にないよ。犬では見た事ないです。まぁ放置しても当面問題はないけど、傷ついたり破裂して出血となると危険だから、もっと大きくなってあちこち当たるようなら切除した方がいいと思います。それにしても、なんで皮膚なんだぁ~骨髄で造れないのかね、オーちゃん?」

ママ:「脾臓や肝臓に腫脹がないということは、そっちでは造血していないんでしょうか?」

先生:「いや、そっちでも造ってると思うけどね・・・」

ママ:「皮膚でできた血液が足しになることはないんですか?」

先生:「血流に入っていけば多少は足しになるだろうけど・・・それにしても、いじましい努力だね。そこまでしても造血しなきゃと頑張ってるんだから。オードリーの生命力に期待するしかないねぇ~」

というわけで、はい、オードリー、なんと皮下で髄外造血をしているそうです。

通常、血液は骨髄で造られますが、骨髄線維症では骨髄で造血できない、もしくは造血(赤芽球)はできても成長する前に溶血が起きて末梢血に流れていく段階(網状赤血球)にまで至らないため、代替として脾臓や肝臓で造血するのは稀ではないそうです。

結果、脾臓や肝臓が腫れてしまうのですが、オードリーはエコーやX線診断では腫脹はみられず、髄外造血が起きているかは不明でした。

が、発症以来、身体のあちこちにしこりがボコボコできて、大部分は脂肪ですけど、そのうちのいくつかが黒ずんできて、大きな(うずら豆大の)血豆のような感じになってきたため検査したのでした。

そしたら、なんと、造血像が確認され、“皮膚での髄外造血”という極めて稀なケースだと判明したわけです。

でも、たぶんこの血は役に立たないみたいで、しかも、大きくなったら切除しないと、というではありませんか! オードリー、アンタの生きようとする努力は認めるから、もっと有益な造血をしてくれませんか??

なんだか話があっちゃこっちゃになってしまいました。

要は、溶血は緩やかに進んでいて、でも肝機能が引き続き良好な状態を保っているのでプログラフを増量(0.1mg/日→0.2mg/日)、輸血は保留で1週間様子を見ることになりました。

次回は9月7日、やはり輸血を想定して午前中(10時半)の予約です。

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東京に戻って、山との温度差に参るかと思いきや、オードリー、まぁまぁ元気にしています。早朝散歩で、蒸し暑い中30分ほど歩いてもさほど苦しそうではないし、ご飯の支度をしていると、台所に来てピーピー催促がうるさいったらありません。

1年前の今時分、PCV・Hgb値は今と同じくらいで、網赤は0.1とか0.2%でした。数値的にはほとんど同じだったわけですが(低下速度は速かったけど...)、ステロイドの大量投与のせいか、見た目はもっともっと苦しそうでした。

貧血状態に慣れたとはいえ、こんな状態でも“普通”に暮らすオードリーをみるにつけ、今後の治療について、ますます悩まずにいられませんけど、生きようとしているオードリーを前にしたら諦める訳にはいきません。(ガンバラナクチャ。。)

この週末はどう見ても先週より元気そうなんですけど・・・金曜には今年初の秋刀魚なんかも食べちゃったのに、お腹も平気だったし・・・プログラフ、効いてくれるといいなぁ~副作用無しで!

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最後に、サンマ食べてる姿も貼っちゃおうかな。(^_^;)


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