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ギュスの肢 : 診断確定 [病気]

今週は良い天気が続いているオーギュス地方です。今日も朝から春を思わせる陽射しが降り注いでいます。お出かけ日和ということで、目下オードリーはパパと車で出かけております。ギュス?台所で食休み兼ねて二度寝中。^^;

さて、本日は2月1日に JARMeC で受けた組織検査の結果です。

結論から言うと、やっぱり"骨肉腫"でした。orz

<病理検査報告書(公表は承諾がいるので部分です)>
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骨芽細胞型という、骨肉腫の中では典型的なタイプなのだそうです。

2月8日の朝イチでセンターの腫瘍医から電話があったのですが、この声から察してくれ~といわんばかりの暗いトーンで、告知するのが気が重かったのかな?みたいな重々しい口調でしたけど、ママとしたら、検査のときに「菌は検出されませんでした」というコメントがあったので骨髄炎の線は消滅、悪性腫瘍(良性だと骨が溶けることはほとんどないといわれてたから)であることは覚悟していて、ただ、どういう種類か、悪性度はどうなのか、まで判るといいな~と思っていたから、冷静に話しをすることができました。

それでか、先生の声も徐々に明るくなって(?)きて、今後の治療についても、2度の受診では「一刻も早く断脚→抗がん治療というのがセオリーです」という説明でしたが、「筋肉の状態からみて既に右足にはほとんど頼ってない様子だから切ってもリハビリで動けるようになるとは思うけど、60キロ近い体重ですから教科書どおりの選択でなくてもいいかもしれませんね。自分の診たケースでは80キロのグレートデンがいましたが、飼い主さんのご希望で断脚せずに放射線治療しました。ただ、断脚にしろ放射線にしろ、結局は痛みの緩和を目指すもので根治できるわけではないですから、ギュスちゃんに負担のかからない方法を探るのがいいでしょうね」と。

詳細についてはかかりつけの方にファックスして先生に報告しておきますとのことだったので、抜糸も予定していたため、この日の昼前にかかりつけを受診しました。

それが・・・

ギュス、基本舐めたり噛んだりはなかったけど、オードリーと散歩に出てる間がダメみたいだったので、包帯巻いてクリアしていたんですが、この日オードリーの散歩から戻ったら、包帯外れてるし、縫った部分にちょっぴり血が滲んでいて、エェ~セルフ抜糸したか?!と確認したら、糸はちゃんと結び目が残っていてヤレヤレ。

出かける前に包帯巻きなおして、さらにガムテープでぐるぐる巻いたので、病院までの道中再度外れることは無かったけど、かかりつけの先生も包帯とったら傷口が赤くなってて一瞬ドキっとしたのか、「糸ありますよね?」って。

少し血が滲んでたから抜糸できないかと思ったけど、傷口はちゃんと閉じてて、チョキンと切って軟膏塗って無事終了。ホッ。(*^^)v

この日も全身チェックは不整脈以外問題なく、いよいよ病理結果のお話。

「センターから電話ありました?」と聞かれたので、「はい」と答えると、だったら話は早いという感じで、報告書のコピーを持って来て詳細の説明が始まりました。

病理の報告書って、なんでこういう日本語書くかな~という文章が多い中、今回の先生はかなりまともな方で、文章追っていくと一応読解可能でした(笑)。

要は、ごく典型的な骨肉腫であることは間違いない。で、異形性は高い(=悪性腫瘍)ものの、核分裂像は稀(=進行が遅い)という所見。異形性と核分裂像から腫瘍の悪性度を判定するわけですが、悪性腫瘍ながら進行スピードが遅いという“なんともはや”な結論(これまでの経過そのものじゃん!)。

センターの先生は、骨肉腫をたくさん診てると時々こういうタイプがあるのだとか。でもって、かかりつけの先生によると、今までのところすっごく進行がゆっくりなんだけど、或る時点から突然増殖スピードが加速して、転移も一気に進むこともあるのだとか。

この日は前回のレントゲンから2週間だったこともあり、レントゲン撮影したところ、黒く抜けた腫瘍部分がほんの少し広がってるかな~という状態にも見えるけど、まだ明らかな変化は起きてないと。

かかりつけの先生も他所の先生たちと話しをされてるようで、「教科書どおりでなくてもいいのかもしれませんね~」って。ただし、いずれ病的骨折が起きるのは避けられないし、そうなったら激痛に襲われるのも確実で、前脚なので、あればなにかにつけ体重はかかるため、痛む肢でもあった方がいいのか、切って痛みだけでも無くした方がいいのか、本当に難しい選択だとも。

先生方もだけど、オーママだって、抱っこできるサイズ(オーちゃんサイズ!)なら迷うことなく断脚を選択すると思うんですよ。でもねぇ~(._.)

そこで先生、「骨肉腫と確定したのでパラディア始めませんか?」って。

前にも書いたけど、骨肉腫で一番転移しやすいのは肺。そして、肺転移が進むと肺が硬直して酸素が取り込めなくなるため、痛みが強くなって断脚したいといいだしても、その頃には麻酔が難しくなっていて手術ができないことが多いので、仮に切るにしても、転移の進行を遅らせられれば少しは断脚を先送りできるかな~と分子標的薬のパラディアを使うことにしました。

先生によると、骨肉腫の場合、抗がん治療というのは、手術で原発を切除した上で、転移を遅らせるため(=術後生存期間を延ばすため)に行うものなので、手術しないで抗がん剤を使ってもあまり意味はないけれど、パラディアについては、通常効果が期待できないといわれている原発に対しても、進行を遅らせたり縮小を認めた症例報告もあるとのことで、過大な期待をするつもりはないけれど、試してみる価値はある?

でもね~このお薬、高価なんですわ。

パラディアというのは2014年に国内で使用が認められたばかりの比較的新しい動物用の抗がん薬で、元は肥満細胞腫のために開発されたそうです。が、この薬(トセラニブ)、オードリーのGISTもですが、間葉系肉腫全般で効果がみられているようで、近頃引っ張りダコみたい。

でも高いし、パラディアが出回る前は、人間用のグリベック(イマチニブ)やそのジェネリックが使われていて、ジェネリックだとかなり安価に入手できる(オードリーの術後に麻布で調べてもらってました)ので、「そちらじゃダメですかね?」って訊ねたら、かかりつけの先生、アメリカの腫瘍学会の腫瘍認定医の先生の話として、「肥満細胞腫ではイマチニブが効いた報告があるけど骨肉腫ではパラディアしか報告がないので、パラディアでいきましょう」って。

ギュスの場合、70%カバーの保険に入っていたので、限度額以内で頻繁に処方してもらえばギリギリなんとかなる金額?少なくとも、オーちゃんが最大薬飲んでたときとくらべたら安い??幸い、現在オーちゃんでかかってるのはデノシルくらいだし、パパに頑張ってもらいます。^^ゞ

でもでも~人間ではイマチニブに反応しなかったり耐性がでてからスニチニブ(=パラディアの成分であるトセラニブとほぼ同等)を使うみたいだから、犬もイマチニブから始めちゃダメなのかしら? なんたって、ギュスは人間並みの服用量なので、長期になったら続けられないかも。=.=;

そんなわけで、検査したことでダメ押しされただけといえばそれまでだけど、少なくとも骨肉腫と確定して、悪性度やある程度の進行スピード予測の情報まで得られたのは、これからのギュスターヴとの時間の過ごし方を考える上では役に立つと思うのです。

あんなに痛い思いさせて何も結果が出なかったら立つ瀬がないよ~と悔やんでも悔やみきれなかったところですが、一応、検査してよかったかな?(自己満足と言われても甘んじて受け入れますが...^^;)

      ******

検査から11日目(抜糸から三日目)の穿刺部分は、うっすら毛も生えてきていて、検査直後の痛そうな素振りもなくなって、おとといの散歩からは検査前とほとんど変わりなくなっていて、これまた、少しホッとしています。

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オードリーが骨髄穿刺したときなんて、貧血(PCVの低下)に歯止めがかかり始めるまでの1年半、まったく毛が生えてこなかったことを思えば、今のギュスはまだまだ体力にゆとりある??

「あいつはいつだって体力温存してるのよぉ~Zzz..」
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「なに寝ぼけ顔なんかアップしてんのよ!(--〆)」
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「モデル、もういい?」
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タグ:骨肉腫
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